ファルスタッフ見習い

やわらかハートポイント@yawarakahpの日記 飲食、旅行、音楽など

十勝旅行(2024/2/11〜2/13)②

たっぷり睡眠をとって目覚めたら、何はなくとも朝風呂へ。高めの湯温でシャッキリ目が覚めました

その後は前日夜に錬成した漆黒鍋の残りを食べてお片付けしました

そして、温泉と同じくらい楽しみにしていたイベント!お宿の駐車場に来てくれる(かもしれない)鹿さんとのグリーティングです。

親子連れっぽい鹿さん二匹がお食事中でした。

鹿さん可愛いよ鹿さん!動画をブログのページに直接埋め込めないのが残念でなりません。落ちている枯れ枝を噛む口元の動き、モキュモキュという微かな咀嚼音がたまらなく愛おしいです。

鹿さんは信じられないほど人懐っこく、間近で写真を撮ることも許してくださるだけでなく鼻先数センチのところまで近づいてくださいます。当然お触りはしませんでしたが、思う存分愛らしい鹿さんを眺めて狂ったように写真を撮りました。

いつまでも鹿さんを見ていたいのですが、いい加減冷えてきたことに加え次のスケジュールもあるので出発の準備です。自分達で使った食器を洗って、ゴミをまとめます。こちら「幌加温泉湯本 鹿の谷」では、自分で出したゴミは原則持ち帰らなければなりません

お宿のすぐ近くにある、同じ幌加温泉の中でも廃業されてしまった施設の名残。勝手な願望ではありますが、鹿の谷さんにはどうかこの素晴らしい温泉を維持していただきたいです。

バス停まで送っていただき、再びノースライナーで移動します。

降り立った先は帯広競馬場。大きくてかっこいい馬さん達の熱いレースを観にきました

やわポはパドックで馬さんが歩く姿を見ても仕上がりなんて分からないド素人なので、名前と前評判だけ見て適当に決めます。対して同行者(以下「ペラオ」という。)はLINEを始めて以来アイコンがずーっと変わらずゴルシさんで、国内外の競馬を観ていらっしゃる競馬ファンです。

やわポは案の定外しました。しょうがないね

気を取り直して次のレースです。

例によって何も分からんちんなので、二択までペラオに絞ってもらって、ぱっと見で可愛かったこの馬さん(コーワノウンカイ)に決めました。

結果は果たして……一着!ありがとうございました。ビギナーズラックってやつですかね

動画でお見せできないのが本当に残念なのですが、競馬に詳しくない一般人でも、筋骨隆々のばん馬たちが目の前で障害物を越えながら重いソリを引くのを見て血が沸き立つような感覚を覚えました。大迫力!

レース後のコースを背景に勝ち馬券を撮影するのが流儀のようですね。勉強になります

競馬場の中にあるふれあい動物園。100円でにんじんを買って馬さん達にあげることができます

やわポはチキン野郎なので辞退しましたが(大きな馬さんって近くで見ると怖くて……自分でも情けないです)、ペラオは楽しそうに馬さんと交流していました

やわポは小さめの馬さんと見つめ合うだけです。触れないけどかわいい

その後は競馬場内の神社にお参りしたり、産直を覗いたりしました。

帯広駅まで戻って、バスで然別湖へ。

いい景色です

現地に着く頃にはもう真っ暗。

お宿「然別湖畔温泉ホテル風水」でチェックインを済ませて、早速コタンに繰り出します。

人生初の然別湖に浮かれポンチだったことと見学時間が(夕食の最終受付時間までと)限られていてあわてていたことから、愚かにもホテルからコタンまでの急坂をダッシュし、見事にずっこけました。滑ったわけではなくて、勢いがつきすぎて止まれなかったのです

心配してくださる周りのお客様、呆れながら体に付いた雪を払ってくれるペラオ。どう見ても幼稚園児か小学校低学年の行動です、ありがとうございました

ちょうど前の日に完成したという「セレモニーイグルー」。蝋燭が灯っていて、まるでチャペルのようです

スマホのカメラでは写すことができなくて非常に残念なのですが、雨人間たちには珍しいことにこの夜は晴れていて、星が綺麗に見えました。都内ではまずお目にかかれない満点の星空の中、オリオン座、北斗七星くらいしか分からない自分の無学さが悔やまれます

映え散らかしている「アイスバー」。広くて綺麗な建物の中でお洒落なカクテルなどが飲めます

多少値が張っても、ここに来たら氷のグラスで頼まない手はないでしょう。「しののめ」「コイスム」をいただきました

美しくて美味しい。北欧のアイスホテルに一度は泊まってみたいと思っていたのですが、もうここで満足してしまったかもしれません。そして当たり前ですが、手が冷たい!

飲み終わったグラスも、捨ててしまうのが惜しくなります。捨てたけど……

いつまでも眺めていられる素敵な空間ですが、夕食の最終受付時間が迫っているのでホテルに戻りました

急ぎ夕食会場へ。然別湖名物のオショロコマを食べられて満足です。我々は食べるのがとてつもなく遅い自覚があるのですが、固形燃料が燃え尽きてお鍋の火が消えてしまった際も親切に対応してくださってありがたかったです

中途半端な時間だったのでお風呂は独泉できました。鉄っぽい熱めの塩化物泉で、少し浸かっただけで汗ダラダラです。この温泉が自宅に沸いてくれたらいいのに。

ほかほかの体で眠りにつきました

三日目に続く

ぐんたま日帰り旅行(2024/4/6)

18きっぷの残りを消化するべく、熊谷桜堤草津温泉を主目的に日帰り旅行をしました。

タイトルの「ぐんたま」は群馬、埼玉の略です

同行者(以下「ペラオ」という。)と赤羽駅で待ち合わせをして、ゆっくり熊谷駅へ

熊谷駅構内、人生で初めて見たぎょうざの満州。餃子大好きおたくとしては、いつか食べてみたいものです

駅から歩くこと数分で熊谷桜堤に着きます。桜花が映える青空ではありませんでしたが、圧倒的雨人間の二人が揃っても降り出さなかっただけ良しとしましょう

9時現在、開店準備中の屋台の数々と、早くも元気にはしゃぐ子供達

満開にはまだ少し早いものの、可憐な花々を十分に楽しむことができました。東京都内だったらこの開花状況でもすでに人混みの中で押し合い圧し合いだったでしょう

土手に咲く菜の花も名物です。黄色と薄桃色のコントラストを楽しみながらゆっくり歩きました。

ひとしきりお花を見終わったら、地獄の電車移動が始まります

高崎経由で

長野原草津口へ。2枚の写真のみでは塵ほども伝わらないと思うのですが、9:48〜12:05に渡るロングシートでの電車移動。ワーグナーのオペラにかぶれ始めたやわポでもお尻が取れそうでした。車で行け、ですって?その通りです、返す言葉もございません(確実にいつか事故を起こすので運転免許の取得はハナから諦めています)。駅からはバスで移動します

それでも遂に辿り着いた草津。硫黄泉大好きっ子には堪らないお湯がドバドバ目の前を流れています。クサい!最高!この日に調べて初めて知ったのですが、「草津」の名称がそもそも「硫黄臭い水」に由来するという説がありました。いつか真相を知りたいです

今すぐ目の前の湯畑に飛び込みたい気持ちを抑えて腹ごしらえをします。

角打ちができるということで気になっていた酒屋さんの2階にあった「OBAHAN GOHAN 花」(酒屋さんと系列店という訳ではないようです)。「ちょい飲みセット」の内容は思った以上に充実していて、ランチビール、サラダ、タレカツ、ミニカレーというメンバー。家庭的でほっとする味付けで、量もあってこれだけで結構お腹いっぱいになってしまいました。

胃にクッションができたところで、一階の「土屋商店」にお邪魔します。こちらは写真撮影もスマホ操作も禁止という硬派な酒屋さんで、口コミで予習してから少し緊張しつつ臨んだのですが、いざ入ってみれば何のことはない、いいお店です。年配の店主の方に注文をすると、もっきりにたっぷりとお酒を注いでおつまみのナッツと一緒に出してくださいます。スマホを眺めることなく、じっくりとお酒の味に向き合う時間。後ろの方からは店主が他のお客様の質問に丁寧に対応する声が聞こえます。このお店でしか購入できない日本酒「ひげん」を楽しんで、そろそろお暇します

いざ立ち寄り湯へ!国の登録有形文化財だけあって建物がものすごくかっこいい。フロントの方は親切に対応してくださり、バスタオルを無料で貸し出してくださいました。大体の旅館では別途タオル代を取られるので、少し嬉しいです

先に入っていた方と入れ替わりになり、独泉!小さめの浴場ですが、凝ったタイル絵が特徴的な落ち着いた雰囲気で、観光客でごった返す温泉街の喧騒が嘘のようです。強烈な香りの硫黄泉にゆっくり浸かる至福。熱めのお湯で、身体中から汗が吹き出ます。立ち寄り湯の時間が終わるギリギリまで居座っていた迷惑客やわポにも、すれ違った女将さんは優しく挨拶してくださいました。今度は宿泊して、思うまま情緒溢れる建築とお湯を堪能したい……後ろ髪引かれる思いで旅館を後にしました

先に出ていたペラオがコンビニ前で見かけたネコンチャチャ。街猫さんでしょうか

火照った体を冷ましながら少し歩いたり、足湯を巡ったり。

あっという間に帰りのバスの時間になり、地獄の行程再び。熊谷駅に着く頃にはすっかり日が暮れていました

予約していた駅チカの居酒屋さんで夕食をとって(詳細は別記事にて)、夜桜鑑賞に繰り出します

屋台通りには人だかりができていました。淡い色の花々がライトアップされて輝いています。こんな曇りの日はむしろ夜の方が桜の美しさが際立ちます

タイミングよく空いたテーブルがあったので、草津で購入した温泉卵と缶ビールで乾杯しました。ぼんやり木々を眺めながらビールを啜ります。

夜桜は花付きの悪い枝が闇に紛れて、白っぽいお花の美しさが際立っていいですね。菜の花との競演も、日中とはだいぶ違う印象を受けます。

無料で座りながらお花見ができるスペース、誰でも利用できるゴミ置き場と、目黒川沿いでは絶対に実現しない設備が整っていて、毎年桜の季節にはここに来たくなるような場所でした。

都内に着く頃には既に23時。アクセスさえ解決できれば……(運転免許を取りなさい)

十勝旅行(2024/2/11〜2/13)①

旅行の時は何から何まで調べて計画して引率してくださる同行者(以下「ペラオ」という。)に次のブログ更新はいつかと訊かれたので、あわてて今年2月の旅行について振り返ります

いつもの旅行に比べると遅い出発。

ペッパーくんってネタ画像にされすぎてしまったせいか、きちんと働いている時でも何となく面白く感じてしまいます

諸事情により生のニラ・ネギ・白菜を背負ったキモおたく、空へ。

飛行機の窓から見える真っ白な大地。降り立つのが楽しみです

帯広空港着。かわいいぬいぐるみさん達がお出迎え!

シャトルバスで帯広駅へ。14時過ぎでもなんだか既に薄暗かったです。

バスの出発まで時間があるので、お宿での自炊に備えるべく駅ビルの物産館で食料とお酒を買い込みます。邪神ちゃんアニメ、2話くらいまでしか観てない……

ノースライナーで幌加温泉入口に向かいます。道内旅行がご趣味らしいTwitterユーザーの方が同じ車両に乗り合わせていたようで「幌加温泉入口で二人組が降りていった、渋いね〜」みたいなツイートをされていて、面白かったです

お宿の方に車で迎えていただき、ついに憧れの秘湯「幌加温泉湯元 鹿の谷」に投宿!

旅行と温泉を極めし者として尊敬しているFFさんが一週間くらい前に泊まっていらして、世界の狭さを感じました

無駄がなく綺麗なお部屋。もちろん窓からは雪景色しか見えません

館内の説明を一通り聞いて、荷物を下ろしたら早速お風呂へ。お風呂場に備え付けのアメニティは一切ありませんが、洗剤やヘアゴムなどは一通り現金で買うことができます。もし洗面用具を一切準備していなくても困ることはないと思います。小銭だけはしっかり用意しておくと安心でしょう。

まずは女性用の内湯に入ります。小さいとはいえ、こちらのお宿に男性専用の内湯はないので、少し得をした気分です。この日は女性のお客様が他にいなかったのか、硫黄香るとろっとしたお湯を終始独泉!北の大地で凍え、乾燥した体に極上の温泉が沁みます。

ひとっ風呂浴びたら夕食の準備。

湯治宿だけあって、調理器具や食器類に困ることはありません。

自炊しない勢の方にも即席麺、レトルト食品の販売があるので、心配は無用です。写真を撮り忘れたのですが、先に書いたアメニティの販売も同じような方式です

我々の夕食は、東京からやわポがはるばる異臭を漂わせながら空輸してきた野菜と先程物産館で購入した鮭の山漬けのお鍋。山漬けとは、内臓を除いて塩をたっぷり擦り込んだ鮭を山のように積み重ねて上下を入れ替えながら熟成させた北海道の特産品だとか

味付けは同じく帯広駅の物産館で購入したこちらです。帰宅後もしばらくスープの旨味要員として活躍してくれました

お鍋が煮えるのを待ちながら、物産館で買ったお酒とおつまみ大集合の図。ビールはお宿で調達しました。サッポロクラシックがフロント前で売られていたり、ジョッキがキンキンに冷えていたり、存外酒飲みに優しい湯治宿のようです。

調理場でご一緒した他のお客様は豚の生姜焼きを作っていらっしゃって、何とも食欲をそそる香りで、あと数レベル図々しくなれれば一口いただいていたかもしれません。というのも、

土鍋を使った経験がなくてお鍋の中身を真っ黒にしてしまったからです。食べられる味ではあったけど、とても食欲をそそる見た目ではありませんでした。漆黒……家でガンガンの強火でストウブの無水鍋ばかり作っていた弊害ですね(言い訳)。

とはいえ、ビールと焼酎とおつまみが美味しい。10%引きだったカニ味噌缶が酒泥棒です。あれ?これだけでも良かったのでは?

お腹が落ち着いたら混浴のお風呂へ(これは他のお客様がいない深夜?早朝?に撮った写真です)。やわポは新潟の燕温泉「河原の湯」で巻きタオルも許されない究極にワイルドな混浴デビューを果たしたので、湯浴み着OKの混浴なんてへっちゃらなのです。

写真奥の二つのドアが男女別の脱衣所で、そこから一番近い浴槽が「ナトリューム泉」、隣が「鉄鉱泉」、一番手前が「カルシューム泉」です。全体的に熱めのお湯ですが(やわポの好み)、三つの中では一番湯温の低い鉄鉱泉がダラダラ入るには良かったです

体が温まり切ったところで、意を決して露天風呂に飛び出します。写真奥に見える建物が先程の内湯で、二重扉からスリッパを履いて雪道を露天まで歩いて行きます。滑って転倒しないように気を付けつつ、震えながら数十歩。クサいお湯にどっぷりと浸かる至福!少し暑くなったら極寒の大気に身を晒し、再びお湯に浸かり……の永久機関が完成します

ペラオが頑張って内湯側から撮ってくれた露天風呂の写真。この日は夜も雪が降ったり止んだりしていました。星が見えれば最高だったのですが、雨人間二人には贅沢な望みです。時折動物のものらしき鳴き声を聞きながら、秘湯を堪能しました

風呂上がりにTwitterをツンツンするおたく、やわポ。他にやる事ないんか?

二日目に続く

美酒佳肴ゆらく/米子(2024/5/27訪問)

米子空港行きのバスが18時50分駅発なので、その前に夕食をとります。

16時半から営業開始、さらに米子名物の鯖しゃぶがいただけるこちらのお店を予約し、開凸しました

店先に貼ってあったこの日のおすすめ。あれもこれも気になってしまいます

何はなくとも刺し盛りを頼みます。5種盛り(一人前)に白いかを足していただきました。想像していなかった美しいビジュアルに感激。お酒に詳しい友人におすすめをいただいていた王祿で乾杯。スズキが特に美味しかったです

最初に注文していた品がどんどん出てきます。猛者海老はお造り、焼き、揚げと調理法が選べて、今回は揚げにしました。頭からバリバリ食べて、甘い身と味噌を味わいます

赤もく酢。既に刻んであり心地よい粘り気があって、いくらでも食べられてしまいそうです

主役の鯖しゃぶが登場しました。二人前とはいえ、この切り身の量に驚愕。刺し盛り大好きやわポ、最初に刺し盛りを二人前頼まなくて良かったです。

薄切り玉ねぎが泳ぐ熱々の出汁にさっと潜らせて、半生をいただきます。これは美味しい!今までこんな食べ方があることを知らなかったのが悔やまれます。ポン酢を付けたり、薬味のネギを巻いたりして夢中で食べました。食べ切れるか不安でしたが、完全に杞憂でした。

こちらの「ゆらく」、鯖しゃぶセットのネット販売もしているので今度取り寄せようかと思います

既に満腹なのですが、〆のお蕎麦を同行者(ペラオ)が注文しました。一口だけいただきます。しゃぶしゃぶした鯖から出た旨味が出汁に溶け出していて、それがお蕎麦に絡んでたまりません。すみませんペラオ、もう一口いいですか?

最後に宍道湖シジミ汁。お酒を飲んだ体に優しく染み渡ります。大きなお椀に貝の身が沢山沈んでいて満足感がありました

好き放題頼んでそこそこ飲んで一人7000円ちょっと。駅チカ、早くから開いていて仕切りのある個室風の席もあり、地酒も豊富、質・量ともに申し分ないお料理が素早く出てきます。

素晴らしいお店でした

山陰旅行(2024/5/25〜5/27)③

起床即朝風呂。外では鳥さんが鳴いています。もうこのお湯とお別れだなんて!

ちなみにこちら、小屋原温泉熊谷旅館では連泊ができません。理由は「同じ料理を続けて出すことになってしまうから」だとか

前日の夕食と同じ場所で朝食です。

温泉旅館でいただく温泉卵、大好きです(たとえ温泉水を使って作られていなかったとしても)。お醤油もありますが、あえて味付け海苔の塩味だけでちゅるちゅる啜ります。ほかほかご飯を一口食べて、完璧!

女将さんにお尋ねしそびれたのですが、右端手前から二番目はアゴを使ったちくわでしょうか?昨晩の晩酌用に買ったあご野焼きはもう少し灰色がかっていたと思うのですが、これも似たようなワシワシとした力強い食感、市販品とは全然違う旨味があって美味しかったです

出発の準備と精算を済ませ、女将さんにバス停まで送っていただきました。ここは当初予定していたバス停(土砂崩れにより使用不可になっていた)より少し離れた所だったのですが、ご相談したところ快く応じてくださいました。ありがたい限りです

雨がぱらつく中、ジブリ映画にでも出てきそうな小屋に出たり入ったりしながらバスを待ちます。無事に乗り込み、大田市経由で再び出雲へ
出雲市駅から安来駅に向かう電車待ちの時間が30分ちょっとあります。となれば、向かう先は一つ!

前日に振られた「旭日酒造」。シャッターが上がっていて安心!Google mapsの表示では出雲市駅から徒歩6分、駅チカでありがたいです。もちろん肝心のお酒の品質も評判が高いです

小ぢんまりと落ち着いた雰囲気の店内、優しい雰囲気の女性店員の方が迎えてくださいました

目当ての有料試飲。600円で6杯分の試飲ができます。レジで専用コインと引き換えて、気になるお酒を試します。サーバーのボタンの上にある数字はおすすめの飲み順です。ここは素直に従って、一種類ごとに仕込み水で口をリセットしつつ、好みの味を探します

やわポの好みは右から二番目(中町エニシカル)と右から四番目(純米原酒十旭日)でした。同行者(以下「ペラオ」という。)と相談しつつ、まんまと色々買って急ぎ駅に戻りました

ジャケ買いしたわんわんカップ、にゃんにゃんカップ。どちらも純米酒ですが、原料米が異なります。市販のワンカップ大関がこれらだったら頻繁に買ってしまいそうです。安来行きの電車内で並べてみましたが、可愛すぎてもったいなくて飲めないので無事お土産行きです

安来駅からの無料シャトルバスに乗って足立美術館へ。こちらの入館料もtabiwaぐるりんパスの料金に含まれているので、そのまま見学することができます

この美術館、アメリカの「数寄屋リビングマガジン/ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」(そんなものがあるのですね)で21年連続1位の座を保持している日本庭園、横山大観を含む豪華すぎる日本画コレクション、魯山人の陶芸作品……と心ときめかずにはいられない見どころが詰まったスポットなのです!

あいにくの曇りでしたが、やわポもペラオも雨人間なので降り出さなかっただけ良しとします

庭園以外は当然撮影禁止で、素晴らしい作品群を目に焼き付けるべくじっくりと鑑賞しました。いつも美術館巡りの後には目を酷使するせいかコンタクトレンズがゴワゴワして視界も霞むのですが、今回も例に漏れずそうなりました。どなたか上手な美術館での目の使い方を教えてください

苔庭です。松の一本、苔の一部分に至っても徹底した管理がされているからこその美しさなのですね

左奥に少し見えるのは館内の一部分で、ガラス越しにお庭を眺められます。しかしガラスの影響か少し青みがかって見えるので、渡り廊下など外に出られる箇所で直接見た方が本来の景色を楽しめると思います

生の掛軸

白砂青松庭と右奥の枯山水庭。ちょうどツツジが咲いていました

池庭。鯉が沢山泳いでいます

一通りお庭を見たら、近代日本画を扱う本館、現代日本画を扱う新館、魯山人館の順に周ります。スケジュール上約一時間半しかいられなかったのですが、結構駆け足になった印象です。時間が許せば倍の時間は観ていられそうでした

シャトルバスで安来駅に戻り、米子に向かいます。夕食の予約時間まで結構時間がありましたが、どこかに足を伸ばすには短い時間だったので、とりあえず駅周辺で街歩きしました

近代建築を見たり

シャッター通りに味のある看板を見つけたり

猫さんに遭遇したり。

国内旅行では機会があれば地元スーパーを覗くようにしているのですが、米子のイオン(駅から歩ける距離!)にはアゴのお刺身や宍道湖シジミが売っていました

予約していた居酒屋さんで島根の海の幸を堪能して(詳細は別記事にて)、米子空港から東京に帰還しました

 

yawarakahp.hatenablog.com

 

二泊三日ではありましたが、時間いっぱい気になる場所を巡ることができて充実した旅行になりました

終わり

月イチ餃子のすすめ

普段の仕事帰りは冷蔵庫にある適当な食材を炒めるか煮るかですが、できるだけ月一回は餃子を作るようにしています。

以下、需要はないと思うのですが、ここ数年で蓄積したお家餃子の知見を記録していきます。

皮は強力粉(日清のカメリヤ)300gに熱湯200g弱を加えて練って作ります。耳たぶくらいの弾力になったらいいらしいです。まとまった生地を丸めて濡れ布巾で包んで20分寝かせます。うちの場合は皮担当(以下「ペラオ」という。)が練り上がった生地の塊を家から持ってきてくれる間に自然と「寝かし」の工程は済んでいます。

ペラオのご実家ではずっと皮から手作りして、揚げ・焼き・水餃子の調理法を一通りやっていたそうです。やわポの実家では市販の皮で包んでひたすら焼くだけです。かてへん

手作りの皮の良いところは(粉と水の配合にもよりますが)よく伸びて包みやすいところです。気分が向けば味をアレンジすることもできます。

例えば、今年の2月はシナモンパウダー入りの皮。ペラオ曰く茨城の「丸満餃子」リスペクトだそう。生地を伸ばす時から部屋に充満するシナモン臭。やわポは好きですが、苦手な人もいそうです。

これはその焼き上がり。シナモンの激しい主張は不思議なことに少しマイルドになり、甘い香りとベルギービールの風味がぴったり合いました。またやりたい。

皮作りは完全にお任せしてしまっているのであまり贅沢は言えないのですが、いつか翡翠餃子の皮(ほうれん草を練り込むやつ)にもチャレンジしていただきたいです。

 

やわポが担当する餡は毎回適当。でも野菜は絶対手切りする派です。自分の扱いが下手なだけだと思いますが、フードプロセッサーだと野菜が細かくなりすぎ、水分が出てしまいます。

また、塩気のある具材や調味料と野菜を合わせるのは包む直前です。完成形の餡を放っておくと、野菜から水分が出てべちゃべちゃになり、包みづらいことこの上ないです。餡を寝かせる派の方は刻み野菜単独で塩を振って、出てきた水分を絞る工程を挟むのでしょうね。

大体豚ひき肉・キャベツ・ニラ・ニンニク・生姜(あればネギ)の定番具材に旬の食材を加えます。

例えば、今年の3月末はホタルイカ

お肉の餡に魚介類を混ぜると言うと大体最初は驚かれるのですが(代田橋の「餃子SUNSU」のマスターも不思議そうな顔をされていました。彼のようなプロはサメの餃子のように、餡のひき肉に当たる具材もきちんと魚介類に置き換えるからですね)、肉汁に魚介特有の旨味が溶け込んで、個人的にはとっても好きです。サーフ&ターフってやつですよ(?)

他にはしらす、秋鮭とか牡蠣とか。今度貝で取った出汁を練り込むのもやってみたいです。味のしっかりしたアンチョビや酒盗などはそのまま混ぜるだけ、お手軽で美味しいです。

月イチ餃子最初期に作ったので忘れていましたが、豚ひき肉の代わりにラム肉をフードプロセッサーで粗挽きにしたものを使った餡も美味しかったです。当然ながらラム肉とクミンはよく合いますね。鴨肉は……あえて餃子の餡にする必要はなかったかなと思いました。どなたか、美味しい鴨餃子のお店をご存知の方は教えてください。または作って食べさせてください。

 

餡の完成が近づいたら、生地を24等分して一個一個を皮の形に伸ばしはじめます。これもペラオ担当です。彼は麺棒一本でいとも容易くやってのけるのですが、やわポは上手くできません。

皮ができたそばからはち切れんばかりに餡を入れて包んでいきます。これはやわポ担当です。手作りの皮は打ち粉をしているとはいえ水分量が多くて、少し置いておくだけでくっついてしまいます。その代わりとてもよく伸びるので、心置きなくみちみちに中身を詰められます。そして縁に水を付けなくても留めることができます。

包む時に餡を掬うのには、わざわざ餡ヘラを買わなくても、パレットナイフ(ケーキをナッペするやつ)があれば大丈夫です。スプーンとは作業性の良さが段違いです。

ひとしきり包み終わると、餃子たちがバットに並ぶ姿を見て謎の達成感を覚えます。

しかし前述の通り皮がくっついてしまう心配があるので、一息つく間もなく焼いていきます。これはペラオ担当です。鉄フライパンに油をたっぷり敷きよく温めて、餃子を並べ入れて焼き色を付けます。横で沸かしておいた熱湯を注いで蓋をします。いい感じに蒸されたら(このタイミングの見極めもなかなかやわポには難しい)、蓋を取って水分を飛ばして完成です。

この間にやわポは片付けをしたり、食器を準備したりします。

やっと食べ始めます。その日の餃子の味に合うお酒を準備するのも楽しみの一つです。上の写真は酒盗餃子に森嶋の辛口純米吟醸。合わないわけがない!

アチアチ……と言いながら一口、お酒を挟んでもう一口。ラー油や酢でたまに味変しつつ食べ進めていきます。ラー油マニアではないので特別沢山のラー油を食べ比べているわけではないのですが、やわポの圧倒的おすすめはこちらです。固形分のないラー油なんて……!

一個一個が大きくずっしりと食べ応えのある餃子なので、一人8個も食べればすっかり満腹です。

ライスはないのか、ですって?そんなものはありません。以前友人から「お酒を飲むからご飯が要らないんじゃないの?」と訊かれました。お酒の有無は関係ありません。実際、やわポは実家で物心ついた時から餃子の日には餃子しか出ませんでした。餃子を崇めよ。餃子だけでお腹いっぱいになりなさい。下は友人をして「様子がおかしい」「狂気じみている」と言わしめた実家の餃子です。

さて、餃子を作る一連の流れでしつこく「これは〇〇担当……」と繰り返していたのは、別にチームプレイを自慢したいからではありません。狭い1K賃貸で行うという制限付きで、二人で協力して作るのに餃子ほど向いた料理はないのではないかと考えているからです。

1Kの狭小なキッチンでは並んで作業するスペースなどとても確保できません。また、火口に立っている人、刃物を持っている人の真後ろをもう一人がウロチョロ移動すると危険です(これは家具の配置によるかもしれませんが)。

そのため、焼き物をする人と洗い物をする人が並んでキッチンに立つ場合などを除いて、一人はキッチン、もう一人はリビングで、または二人ともリビングで作業できると都合がいいのです。

お湯は用意する必要がありますが、生地作りには基本的に火も刃物も要らないので

生地を練る(リビング)・餡を作る(キッチン)→皮を伸ばす・餡を包む(二人ともリビング)→焼く(キッチン火口)・洗い物(キッチンシンク)とテーブルセッティング(リビング)

と並行すれば危険もタイムロスも避けながら楽しく食事の準備ができます。

加えて、餃子は家庭料理の中では比較的工数が多くてご馳走感が強いし、何より協力して作った料理を一緒に囲むのは楽しいのです。餃子を崇めよ。

最後に去年の12月に作ったカラスミ餃子を紹介して終わります。年末感溢れる一皿。餡にも上から削って散らす飾りにもふんだんにカラスミを使用し、禁断の味を楽しみました。こういう、原価がすごくてお店ではまず出ないようなアレンジ餃子も家では好き放題できてしまいます。

月イチ餃子、これからもゆる〜く続けていきたいです。皆さんもぜひやってみてください。おすすめです

山陰旅行(2024/5/25〜5/27)②

二日目

起床すると空腹だったので、お茶を淹れて前日駅のお土産屋さんで買った赤てんをいただきます。辛味のある練り物って確かに他ではあまり思いつかなくて、辛党やわポは大歓喜でした

8時半に宿を出発して、再び松江へ。この日は暑くなる予報だったので、気温が上がり切る前にサクッと松江城を見ておきたいのです

見えてきました

無駄のないデザインでかっこいい!高さが全国で第3位とのことで、最上階からの眺望に期待が高まります。

2泊3日分の荷物がパンパンに詰まったリュックを抱えて(コインロッカーに預ければ良かったね)、急階段を恐々登り切りました

絶景!遠くに宍道湖が見えます

ひとしきり景色を楽しんで天守閣を出ると、外国の方の観光団体が到着したところのようでした。本格的に混む前で良かった!

お城の観光案内所に立ち寄って次に乗れる遊覧船の時刻をお尋ねすると、スケジュール的にちょっとだけまずそうな時刻。一部でもいいから乗ろうということで、徒歩で別の乗り場まで移動します

この旅行では松江・出雲のtabiwaぐるりんパスを使い倒します。堀川遊覧船は周遊パスの適用範囲内なので、そのまま乗ることができます

靴を脱いで乗り込むと、船頭さんの軽妙なトークと共に船が動き出します。

先に見える赤いハートマークは屋根下げを始める位置の印です。触ったらHPが回復しそう(?)

アジサイが咲き始めています。この遊覧船、幌が日陰になっていて川風もあって涼しい!

橋の高さに合わせた屋根下げとゆっくり移り変わる風景にはしゃいでいたら、あっという間にお城に近づいてきました。「そんなに無理して遊覧船に乗らなくても良くない?ぶらっと街歩きしてもいいのでは」などと思っていた私が愚かでした、これは頑張って乗った方がいいです

先ほどの観光案内所前で船を降りて、松江駅から出雲に向かいます

新型やくも!

出雲市駅は駅舎もかっこいい

参道はバスですっ飛ばして、到着!

沢山のうさぎさん。足元に松ぼっくりがお供えしてあってかわいい

ひょっとすると本殿よりも有名な大注連縄。公式サイトによると、5.2トンあるそうです。

お参りを済ませて、せっかくなのですぐ側の博物館にも立ち寄ります

過去の記録と遺跡から復元されたかつての本殿の姿。他にも熱がこもった展示が盛りだくさんで、時間が許せばたっぷり2時間くらい見学したかったです(館内はフラッシュを焚かなければ撮影OK)

国宝もゴロゴロ。見応えがあります

かわいいね

駆け足で一通り見学して、再び出雲市駅から大田市に向かいます

鳥取駅では入店できなかったすなば珈琲、出雲にも進出していました。炎天下でバス待ちをしている体にアイスコーヒーが沁みます。スタバなう!

出雲から大田市に向かう電車待ちの時間潰しで来てみた駅からすぐの酒造、この日はお休みでした。そんなこともあるよね

出雲は流石に観光客で賑わっていましたが、大田市駅に着くと少し寂れた感じが旅情を掻き立てます。同行者(以下「ペラオ」という。)は駅の冷凍ケースにあった白バラ牛乳ソフトを買っていました

足立区?

バスでお宿の方が迎えに来てくださる地点まで移動。先に着いて待機されていて、バスを降りるやいなや声を掛けてくださいました

送迎してくださった方が女将さんで、お宿の案内、食事の配膳、他の方の情報によると夕食に出る蕎麦打ちまで八面六臂の活躍をなさるすごいお方でした。やわポなんて車の運転免許すら持ってないのにね……

投宿!古いながらも手入れの行き届いた、落ち着くお部屋です。夕食の時間は18時ということで、荷物を下ろしたら早速お風呂に向かいます

温泉ブロガーさん方の過去の投稿で何度も見かけた廊下。ついに本当に来られました!

やわポはとりあえず一番手前のお風呂へ

ペラオは手前から二番目へ。

こういうシャワーすらない、シンプルなお風呂場も好きです。カランと洗剤があるだけとってもありがたい。5月とは思えない暑さの出雲でかいた汗を流して、湯船にダイブ。予習していた通り、ぬるーいお湯で鉄っぽさを感じます。いくらでも入っていられる(夕食の時間があるから思う存分ゆっくり、とはいかないのですが)。そして泡付きがすごい!入浴してまもなく、全身がつぶつぶの気泡で覆われます。湯温は低いはずなのに体がじわじわ温まってきて、心地よいです

これはペラオの腕。本当に一瞬でこんな感じになります。やわポは鈍臭いのでスマホを水没させかねないためこんな写真は撮れません

そうこうしていると18時、夕食の時間です。ポカポカの体を浴衣に包んで食堂へ。これらのお皿は既に準備されていました。焼き物、お蕎麦と最後のお食事は後から運ばれてきます。

地酒「石見銀山」を注文して、乾杯。島根のお酒は辛口が多くて個人的にはすごく嬉しいです。お刺身が美味しいのは当然として、衝撃を受けたのは刺身こんにゃくです。たまに買う市販品とは全然違って、もっと柔らかく素直に噛み切れるのでした。それから、前日行った居酒屋「叢雲」でもそうでしたが、島根の刺身醤油も甘いのですね。お醤油が甘いのは九州だけだと思い込んでいました。これはこれでアリです。真ん中にある白いお豆腐的な一品。女将さんにお尋ねすると、牛乳を葛粉で固めたものだそうです。もっちりした食感、生姜の効いた出汁、初めて食べたしとっても美味しい!他にもお酒が進むものしかなくて困ります

お蕎麦がやってきます。手打ちの十割蕎麦だとか。お蕎麦は久しぶりに食べました。喉越しがよくするすると胃に収まります

熱々で運ばれてきたアラカブ(小さいカサゴ)。身質はよく締まっていて、小さいながらも脂が乗って美味しいです。

美味しいお料理の数々で既にお腹いっぱいなのですが、最後にご飯とお吸い物まで出てきました(写真失念)。一泊一万円を切るお宿とは思えない、素朴ながら心のこもったお食事でした。部屋でしばし消化タイムをとって、また極上のお湯にのんびりと浸かってから爆睡しました

三日目に続く

 

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